吉村靖考氏がコンテナ規格の被災者用住宅を提案

日経新聞110405】吉村靖孝建築設計事務所(東京都渋谷区)は東日本大震災の被災者に対し、コンテナ規格の住宅を設計し被災地に届けるプロジェクト「エクスコンテナ・プロジェクト(EX-CONTAINER PROJECT)」を立ち上げた。吉村氏が以前、設計したコンテナ規格のホテル客室ユニットで得た設計ノウハウを活かし、応急仮設住宅だけでなく、再建住宅やコミュニティ施設として利用できるようにする。

吉村氏の設計で2009年に開業したベイサイドマリーナホテル横浜のコテージ型の客室施工写真(写真:吉村靖孝)
吉村氏の設計で2009年に開業したベイサイドマリーナホテル横浜のコテージ型の客室施工写真(写真:吉村靖孝)

 2011年4月4日時点で想定するのは3タイプ。20フィート・コンテナを横に2つ並べる「仮設住宅スタンダードタイプ」(広さ約28m2)、縦に2つ積む「仮設住宅2階建てタイプ」(広さ約26m2)、2つのコンテナの間に空間を設け広さを約50から60m2にする「常設住宅タイプ」だ。いずれのタイプの住宅にも、洗面、バス、トイレ、キッチン、居室が付く。工場で内装まで仕上げることを想定しており、現場への資材搬入や建設作業を削減できる。

 吉村氏によると、一般的な応急仮設住宅の建設コストは1戸当たり約300万円かかり、これを2年で撤去すると月額12万円以上のコストにな る。エクスコンテナ・プロジェクトの仮設住宅スタンダードタイプの建設コストは300万円を目標にする。仮設住宅2階建てタイプは400万円、常設住宅タ イプは500万円がそれぞれ目標とする建設コストだ。仮設住宅と常設住宅を別々にデザインするのではなく、共通化して、仮設と常設を横断する選択肢を提供 する。

 現在、ホームページ(http://exc.ysmr.com/)で、寄付を募集している。賛同者が集まり始めており、設計の支援を申し出る人や、建材を提供したいというメーカーも出てきているという。

 まずは仮設住宅のプロトタイプを1棟建てる予定だ。4月4日現在、半年で20棟、1年で50棟程度を当面の目標として活動している。

(日経アーキテクチュア 岡本藍)

[ケンプラッツ 2011年4月5日掲載]