岩手県 「県が介護拠点を本格着工へ 「通所」「入居」の2種類」

県が介護拠点を本格着工へ 「通所」「入居」の2種類

岩手日報110525】県は、東日本大震災の仮設住宅団地に整備する介護拠点施設の建設に着手する。施設はデイサービス型を想定した「高齢者等サポート拠点」と「グループホーム型仮設住宅」の2種類で、市町村のニーズに応え必要な数だけ建設する方針。仮設住宅の建設に合わせ7月上旬までに一定数の完成を目指す。建設が決まった大槌町の施設については今月中にも着工する見通しだ。

 施設はいずれも1棟300平方メートルの平屋を標準タイプとする。高齢者等サポート拠点には、交流の場となるデイルームや、体操などの活動を楽しむ多目的ルームなどを整備。リハビリコーナーも設置する。

 グループホーム型仮設住宅は、約10平方メートルの個室を備え10人が入居できる。両施設ともに3方向からの介助が可能な浴室やオストメイト対応設備を備える。

 県は市町村と協議し必要な施設数の把握を進め、各仮設団地の敷地内への建設の可否を含めて調整している。施設数の目標は定めず、市町村のニーズに合わせ必要な数だけ整備する方針だ。

 24日現在、高齢者等サポート拠点は県内11カ所14棟、グループホーム型仮設住宅は7カ所8棟の設置を計画。今後市町村との協議が進み、建設数は増える見通しだ。

 建設が決まった大槌町内の5カ所6棟については、早ければ月内にも着工する予定。仮設住宅の必要戸数約1万4千戸の建設に合わせ、7月上旬の完成を目指して整備を進める。

 運営主体は各市町村が公営や民間公募を含めて検討し決定。利用者の募集も市町村で行う。

 県建築住宅課の大水敏弘総括課長は「高齢者に配慮した施設づくりが大切になる。市町村と相談し、設計面でも専門家のアドバイスを受けながら建設を進めたい」としている。