宮城県南三陸町 「南三陸の土地利用で素案 2地区に各3プラン」

南三陸の土地利用で素案 2地区に各3プラン

河北新報110527】宮城県南三陸町は26日、東日本大震災の地域復興計画として、土地利用の方向性について県が作成した素案を、町議会の東日本大震災対策特別委員会で示した。高台への住宅建設と、低地に産業地域を再建する「職住分離」が大きな柱。町は、復興計画のたたき台を策定していく上での検討材料とする方針。
 素案は志津川、歌津両地区の土地利用についてそれぞれA、B、Cの3プランを盛り込んだ。
 志津川地区A案は、志津川沼田の町総合体育館の隣接地に町役場や住宅地を建設し、津波被害を受けた市街地は盛り土でかさ上げする。JR気仙沼線の山側に新たに国道45号を造る。
 B案は志津川小と志津川中に挟まれた高台に役場、公立志津川病院、志津川駅などを集約。国道45号は気仙沼線と並行させるように新設する。C案は現在の国道45号を17メートルの盛り土とし、堤防機能を持たせる。役場は町総合体育館の隣に置く。
 3案とも海岸近くに産業、観光エリアを設け、津波に浸水した地区は農地や緑地を整備する。
 歌津地区A案は、伊里前川の南側高台に歌津総合支所と歌津駅を新設、海側の近くの高台に住宅地を構える。国道45号は17メートルの盛り土の上を通り、津波で被害を受けたエリアは緑地とする。
 B案は伊里前小、歌津中がある伊里前で両校を囲むように住宅地を形成し、その中に支所も置き機能を集約する。C案はB案の集約型プランに加え、海側の高台にも住宅地を造る。
 南三陸町の復興計画の実施期間は2020年度まで。用地確保や防災機能を復旧させる「復旧期」(11~13年度)、水産業など産業基盤を整備する「復興期」(12~17年度)、観光展開などの「発展期」(14~20年度)に分かれる。
 佐藤仁町長は「県からは土地利用が大きく変わる創造的復興案が示されたが、素案の素案。町民に復興の方向を示すたたき台として積極的に意見を集めたい」と話した。
 専門家による「町震災復興計画策定会議」の委員は、宮城大事業構想学部長の大泉一貫氏、財団法人漁港漁場漁村技術研究所調査役の大塚浩二氏ら9人を選んだ。
 策定会議は6月10日に初会合を開き、復興の方向性を協議し9月までに素案を提出する。町民の意見を募る復興町民会議や地区懇談会は、6月下旬から7月下旬にかけて開催する。