岩手県 「三鉄全面復旧へ 国補助率4分の3へ」

三鉄全面復旧へ 国補助率4分の3へ

岩手日報110616】東日本大震災で被害を受け、一部区間を除き運休している本県の三陸鉄道などについて、国土交通省は災害復旧の国庫補助率を現行の4分の1から4分の3程度に引き上げる方向で財務省と協議を始めた。三鉄は補助金を確保できた場合、現行ルートで復旧する方針。最大で180億円が見込まれる三鉄の全面復旧には国の支援が不可欠で、補助率引き上げが決まれば鉄路の再開に大きく前進する。

 三鉄は震災で島越(しまのこし)駅(田野畑村)が流失したほか、車両基地浸水、橋の損壊など甚大な打撃を受けた。北リアス線宮古-小本間と久慈-陸中野田間で運転再開したが、同線小本-陸中野田間と南リアス線は復旧の見通しが立っていない。

 県や三鉄は北リアス線の全面再開に2年、南リアス線の復旧には3年かかると想定。補強工事やバリアフリー化を含めると復旧費用は最大で180億円を見込む。

 現行補助率(国、自治体各4分の1)では会社負担が重く、事業の継続が危ぶまれている。このため同社などでつくる東北鉄道協会は4月、国土交通省に国負担分の引き上げを要望。補助要件の緩和、撤廃も求めた。

 国交省は、現行のままだと事業者による復旧費用の捻出は不可能で、鉄道の再建が困難と判断。財務省に4分の3程度への国庫補助率引き上げを要望し、協議に入った。

 被災した鉄道事業者への利子補給など財政、税制面での支援も検討。2011年度第2次補正予算案への計上を視野に入れる。

 三鉄は路線の6割を被害のないトンネルが占めることなどから、現行ルートで復旧する方針。望月正彦社長は「国の支援を頂ければ、陸中野田-野田玉川間は年内に復旧させたい」と語る。

 現行の補助制度は、鉄道軌道整備法に基づき、大規模災害を受けた経営困難な鉄道事業者に復旧費用を助成する。補助率は4分の1以内で国交相と財務相が協議して定める。阪神大震災では補助率変更が行われておらず、引き上げが実現すれば初のケースとなる。