宮城県石巻市 「内陸の仮設を敬遠 買い物や通勤通学が不便 河南・桃生5カ所平均入居率は21%」

内陸の仮設を敬遠 買い物や通勤通学が不便 河南・桃生5カ所平均入居率21%

【内陸部の仮設住宅は入居率が低調=石巻市広渕の押切沼運動公園】
【内陸部の仮設住宅は入居率が低調=石巻市広渕の押切沼運動公園】

三陸河北新報110715】石巻市中心部から離れた場所に設置された仮設住宅が敬遠されている。8日現在、桃生・河南地区の5カ所の平均入居率は21・2%。5戸に4戸が空き家状態だ。買い物や通学、通勤が不便なことが要因とみられる。ただ、仮設住宅を建てられる安全で便利な用地は限られ、市側は「PRに努め、被災者の理解を得ながら入居率を高めたい」としている。

 6日から8日まで入居を募集した桃生・河南地区5カ所の仮設住宅は計457戸あるが、入居が済んだのは97戸にとどまっている。

 場所別の入居率は、河南地区の押切沼運動公園(124戸)が19・4%、柏木ふれあいセンター(28戸)が39・2%。

 河南地区よりさらに市中心部から離れた桃生地区では、せんだんの杜ものう隣地(122戸)が26・2%、桃生総合センター多目的グラウンド(132戸)が22・7%、永井いきいき交流センター(51戸)はまだ入居がない。

 以上5カ所の入居率が低い点について、市側は「震災前に暮らしていた場所から離れていることもあり、抽選時から申し込みが少なかった」と説明。6日から8日までの追加募集で71戸の入居希望があったが、その分が入居しても入居率は36・8%。半分にも満たない。

 同市新館の自宅が津波で全壊し、押切沼運動公園の仮設住宅で生活する阿部ふじ子さん(50)は「生活が便利な市中心部に近い場所に入りたかった。夫の送り迎えや買い物など、生活の足は車1台。これがないと暮らしていけない」と語る。

 幼い孫を含めて家族6人が2戸で暮らしているが、「6人でも1世帯とみなされ、使用する冷蔵庫は1台と制限されている。食料品の保管が大変」と困惑。「居住スペースが狭く、空いている部屋を使わせてほしい。もったいない」と語る。

 一方、震災前の居住地から離れて暮らす世帯の中には、子どもの通学に苦心する人も。市側に「スクールバスを運行してもらえないか」との問い合わせもあるという。

 しかし、最終的に仮設住宅は129カ所に設置され、全ての地区をカバーするのは困難。市教委は「住んでいる場所から近い学校への転校、家族による送迎が現実的な対応」と話している。

 市によると、仮設住宅の申し込みは7832戸で、県は7900戸の設置を計画。7日までに計画戸数の76%に当たる6012戸(建設中を含む)を設置した。入居が完了したのは抽選が終わった2893戸のうち2400戸程度。多くの被災者が避難所や親類宅などで生活している。