宮城県山元町 「山元町が復興方針、高台移転促す JR常磐線内陸迂回案も」

山元町が復興計画、高台移転促す JR常磐線内陸迂回案も

河北新報110724】宮城県山元町は東日本大震災の復興基本方針案を固めた。最大の焦点となるJR常磐線のルート設定は、内陸部に大きく迂回(うかい)する案を盛り込んだ。中心市街地の形成による「コンパクトなまちづくり」を目指し、津波で被災した沿岸住民の高台移転を促す。
 常磐線のルートについては「津波による機能喪失が再び起きないような位置に復旧することを基本とする」とし、国道6号西側に迂回する案を提示した。
 新たなまちづくりと一体的に整備するため、国や県、JRと調整を進める方針を示した。
 新たな土地利用に当たっては「居住地」「産業用地」「防災緑地」などのゾーンを設定した。
 居住地ゾーンは、国道6号西側に公共施設や駅を核とし、商業施設の誘致を図るなどして中心市街地の形成を図る。
 高台には生活や防災、福祉の拠点となる住宅団地を造成し、津波で被災した住民の集団移転を促す。仮設住宅の入居期限も踏まえ、高齢者に配慮した公的住宅の供給も盛り込んだ。
 産業用地ゾーンは2カ所を想定。現在の常磐線と国道6号に囲まれた中央の平野部に水田や畑を集約し、常磐自動車道山元インターチェンジ周辺では企業や施設園芸作物の生産、産直施設などの集積を目指す。避難路となる道路を整備し「職住分離」を図る。
 町が全世帯を対象に行った意向調査の速報結果によると、「鉄道や道路は新しい位置を検討すべきだ」という回答が全体の80.9%に上った。
 望ましいまちづくり(複数回答)は「公共交通機関が利用しやすい便利なまち」が48.8%で最も多く、町は基本方針への反映を目指す。
 町は24日に開く震災復興会議などを経て、7月中に基本方針をまとめ、年内に復興計画を策定する予定。