岩手県大槌町 「「まごころの里」仮設暮らしの孤独ケア」

「まごころの里」仮設暮らしの孤独ケア

畑では既にナスやスイカなどが栽培されている=岩手県大槌町
畑では既にナスやスイカなどが栽培されている=岩手県大槌町

河北新報110728】東日本大震災で被災した岩手県大槌町の住民が、仮設住宅暮らしの孤独を和らげる取り組みを始めた。「まごころの里」と名付け、仮設住宅の隣接地に雑談ができるプレハブ小屋を設置するほか、野菜を栽培する畑を造り、被災者同士が交流する場を設ける。

 まごころの里は、大槌町臼沢地区の仮設住宅で整備が進められている。畑では既にナス、スイカ、カボチャなどを栽培。今後プレハブ小屋を設置した上で、9月の開設を目指す。
 同町でも避難所から仮設住宅に移り住む被災者が増加。プライバシーは確保されるようになったが、心のケアが課題として残っている。
 整備計画の旗振り役を務める元釜石市職員の臼沢良一さん(62)=大槌町=は「家族や家、仕事を失った被災者は不安の中にいる。お茶を飲んだり雑談をしたりして、少しでも気分を晴らす場が必要」と強調する。
 整備は、被災地へのボランティア派遣を担う遠野市の「遠野まごころネット」の支援を受ける。
 まごころネットから派遣されているボランティア西岡公明さん(43)=大分県宇佐市=は「野菜栽培はやりがいにつながるし、会話のきっかけにもなる」と期待する。
 臼沢さんは震災時、家ごと津波に流されたが、九死に一生を得た。避難所で暮らすうちに、ふさぎ込む被災者の姿を目にし、人と人が寄り添う必要性を痛感したという。
 臼沢さんとまごころネットは共同で、町内に5月、避難所の住民を対象に炊き出しやイベントを行う交流スペースを開設した。今回は、その仮設住宅版となる。
 臼沢地区以外にも、まごころの里を整備する計画もある。臼沢さんは「被災者同士が手を取り合い、孤独死が起きない環境を整えたい」と話す。