石巻市の復興を総合支援 日本IBMと合意文書 新エネルギー活用

【亀山市長と合意文書を取り交わす北城最高顧問(右)=石巻市役所市長室】
【亀山市長と合意文書を取り交わす北城最高顧問(右)=石巻市役所市長室】

三陸河北新報10803】震災で甚大な被害を受けた石巻市の復興に向け、市と日本IBM(本社東京、橋本孝之社長)は2日、新エネルギーを活用した循環型社会の実現を目指し、具体的な計画の検討・作成を日本IBMが総合的に支援することで合意した。日本IBMの北城恪太郎最高顧問(経済同友会終身幹事)が同日、市役所を訪れ、亀山紘市長と合意文書を交わした。

 復興事業のテーマは(1)新エネルギーを活用した中心市街地の活性化(2)バイオマス等を活用した循環型エネルギー社会の構築(3)効率的なエネルギーを活用した次世代水産業の構築-の三つ。

 (1)は、太陽光や風力などの新エネルギーを活用し、次世代送電網「スマートグリッド」の構築により、中心市街地で災害に強いまちづくりを進め、住環境の整備と併せて市民が安心して快適に暮らせるコンパクトシティーの実現を目指す。

 (2)は、地域資源である木質バイオマスや工場の余剰エネルギー、下水汚泥、ガスコジェネシステムなどを統合的に組み合わせ、エネルギーを循環的に供給・利用する無駄のない仕組みを構築する。

 (3)は、震災で大きな被害を受けた基幹産業の水産業を情報通信技術(ICT)を活用して、水産業の6次産業化や設備・工場の共同利用を進め、より効率的なエネルギー活用と高収益のビジネスモデルを目指す。

 今回の総合支援は、米国コンピューター大手IBMが世界100都市で5000万ドル(約40億円)相当の技術やサービスを提供する都市運営支援プログラムの一環。国内では札幌市、仙台市に次いで3例目となる。

 北城最高顧問は「未来志向型の新しいまちづくりを支援する。石巻発の新しい環境都市、省エネ、水産業の6次産業化などの実現に向け、当社の情報技術や事業構想の立案能力を生かす。さらに世界のIBMの知識を集めて石巻の復興に貢献したい。新しいことに挑戦するイノベーションは必要だ」と述べた。

 亀山市長は「石巻の将来を見据え、世界のモデルとなる都市を目指している。IBMの支援によって構想は現実味を帯びる。次世代型の農業・水産業はマーケティング、衛生管理、物流を考えてシステム化することが必要だ。自然エネルギーを取り込み、1次産業と連携したまちづくりも進めたい」と話した。