福島県 「「除染、国が取り組む」細野原発相 5ミリシーベルト未満も含むと強調」

「除染、国が取り組む」細野原発相 5ミリシーベルト未満も含むと強調

【写真】細野環境相兼原発事故担当相(左)に要請書を手渡す佐藤知事
【写真】細野環境相兼原発事故担当相(左)に要請書を手渡す佐藤知事

福島民報111003】県庁で2日、佐藤雄平知事と会談した細野豪志環境相兼原発事故担当相は「国が責任を持って除染する地域は(年間の追加被ばく線量が)1~5ミリシーベルトの地域も当然含まれる。国が財政的な措置、技術的な課題に取り組む」と強調した。
 環境省が28日に福島市で開いた市町村の除染説明会で、同省担当者が年間5ミリシーベルト未満の地域は財政支援の対象外とする方針を示し、県や市町村からの反発が相次いだ。これを受け、細野氏は30日、「自治体でやりたいと要望があれば、最大限応じる」と釈明していた。
 会談で、佐藤知事は「被害者である県民がなぜ自ら除染しなければならないのかというのが県民の素直な気持ちだ。国、事業者が除染するのが筋であり、国が支援するという言葉には違和感を抱かざるを得ない」と苦言を呈した。
 細野氏は「国に責任があり、市町村を支援、協力するということではない。取り違わないようにする」と述べた。
 緊急時避難準備区域の解除に伴い、準備区域と警戒区域にまたがる楢葉町の楢葉南工業団地について、細野氏は佐藤知事との会談後、報道陣に同様の地域がある南相馬市の工場で既に操業を認めていることを明らかにした。
 楢葉南工業団地については「工業団地の再生は雇用、経済の両面で大変重要。操業再開に向けて準備を進めている」と述べた。
 佐藤憲保県議会議長は2日、細野氏と会談し「国の除染に対する姿勢が後退しているのではないか。国の除染についての考えを県民に明確に説明すべきだ」と求めた。これに対し細野氏は「国が責任を持って除染に取り組む」と約束した。
 席上、佐藤議長は9月21日に本県などを直撃した台風15号の影響で細野氏に提出できなかった北海道・東北6県議会議長会の震災と原発事故に関連する要望書を細野氏に手渡した。
 環境省が追加被ばく線量が年間5ミリシーベルト未満の地域は財政支援の対象外とした方針を示したことを受け、佐藤知事は野田佳彦首相宛ての4項目の要請書を細野氏に提出した。
 要請書には(1)年間1~5ミリシーベルトの地域で行う面的な除染の財政措置(2)国の責任で年間1ミリシーベルト以下となるまでの自治体への支援(3)県民健康管理基金の柔軟な執行と不足分の追加措置(4)国・事業者の責任で除染の全国的な支援体制の構築-を盛り込んだ。佐藤知事は緊急時避難準備区域の解除を受け、解除区域の上下水道・生活道の早期復旧、医療再生、農業の作付け方針の明示と雇用の場の確保も細野氏に求めた。