福島県新地町 「宅地買い取り額決定 集団移転で新地町」

宅地買い取り額決定 集団移転で新地町

福島民友120120】東日本大震災による津波の被災住民の集団移転を計画する新地町は19日までに、移転対象となる宅地の買い取り額を公示地価の8割超とすることを決めた。1平方メートル当たり約6500~1万4000円となる見通し。1993(平成5)年の北海道南西沖地震や95年の阪神・淡路大震災の事例を基に、復興後の道路整備などによる地価の回復を上乗せして算出した。同町によると、高台移転などを計画する津波の被災自治体で買い取り価格を算出したのは岩手、宮城両県を含めて初めて。
 県内では、同町のほか、いわき、相馬、南相馬、広野4市町が津波被災地住民の集団移転を計画しているが、国や県は買い取り額の算定基準を示していない。新地町は、被災者の住宅再建資金となる買い取り額が決まらないことで、生活再建に向けた動きが鈍化しているとみて、他市町に先行して独自に買い取り額を算定。19日に算定方法などを町議会に説明、20日に住民説明会を開き、買い取り額を提示する。